『人は誰もが健康で楽しく生きられる』一個人8月号掲載記事


老子・TAO(タオ)の哲学を実践する 気のトレーニング

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老子

 旬の夏野菜を食べる。歯ごたえ、味覚で旨いと感じ、口福が五臓六腑に染みわたる。そんな喜びがあると、まさに今を生きている実感がある。

 しかし同じ栄養を取り入れるにしても、受け入れる心身の状態によって効果は大いに違ってくる。どうも最近、からだのキレが悪い。味覚も鈍くなっている。感覚が摩耗して、やる気が出ない。記憶力が悪くなり、日々がぼんやりしている。からだのあちこちに不安がある。

 そんな日常の中にいると不安が募り、なんとかしなければと考える。しかし運動も得意ではないし、好きなものを食べて暮らしたいとも思う。いったいどうしたらいいのだろうか。

 そんな悩みを持つ人が増えているからだろう。テレビ番組など多くの媒体で取り上げられ、今、改めて注目されているのが老子・タオイズムの哲学である。

 孔子と並んで世界的に注目されている思想家・老子は名著『老子道徳経』の中で、「道」TAOについて語り、「無為自然」「健康で楽しく生きる」というタオイズムの原点を説いている。

 「道」TAOとは人間の浅はかな知恵では推し量ることのできない宇宙の絶対的な法則だ。自然の一部である私たちは、この法則に寄り添い、「無為自然」に生きることができれば、まさに天下無敵である。食べる、話す、歩く、働く。あらゆる場面で、生まれながらに持っている「気」のパワーを最大限に活かすことができ、健康で楽しく、幸運な人生を生きることができるのだ。

天地自然から学ぶことで最大限に生きていける

 しかし多くの人間は、自然の一部としての自分を忘れ、「無為自然」の意味を実感できないでいる。日々を漫然と暮らしていると、「道」TAOは遠い存在だ。そこで今、ぜひ注目したいのが「気」のトレーニングである。

老子哲学に共鳴し、その生き方を実践する人々は「性命双修」(心とからだをともに磨く)という考えのもとで、古代中国の時代から「気」の健康術を行ってきた。欲や見栄などの我執を放して、心を宇宙に向けて開き、ゆったりと整える。野生動物の動きを参考に、ツボ刺激と呼吸法を行い、全身を活性化させる。人から学ぶのではなく、天地自然から学ぶことが重要なのだ。

 この「気」の健康術を現代人にもわかりやすい形で体系化したのは道家<道>学院の早島天來初代学長である。現在、同校は「気の導引術」「道家 動功術」「洗心術」という、3つの「気のトレーニング」を日本で唯一、指導する学校だ。

 道家<道>学院で指導する「気の導引術」は呼吸とともにゆったりとからだを動かし、ツボに適度な刺激を与えながら、「気」を最大限に活性化する。長い年月の中で無数の人々に鍛えられた的確な動きなので、早い人なら、やったその場で変化を感じる。老若男女、誰でも実践できるので、生活の中に無理なく取り入れることができる。

 2つ目の「道家 動功術」は、二人一組で決まった技を掛け合いながら自然な動きを身につける健康武術だ。日常動作では動かしにくい関節などに快い刺激を与えて「気」の流れを活性化。他人と組むことで心の壁がなくなり、人付き合いが楽しくなる。

 3つ目の「洗心術」は心の悩みを相談しながら対話を通して老子の実践哲学を学ぶ。

 以上3つの「気のトレーニング」に取り組むと血流やリンパの流れがスムーズになり、心の悩みが取れ、全身に「気」がめぐる。まさに「一生の宝」だ。

 「生涯現役」は「気」のパワー、「道」TAOとともにある。あなたもぜひ道家<道>学院で学ぼう。思い立った「今」が最高の入学日だ。

※道家とは老子の哲学世界を探求し、その思想を日常生活の中で実践する人たちの総称。

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一個人2015年8月号

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